
ダイエット中や食欲をコントロールしたい時、満腹感が持続する食事は心強い味方になります。その鍵を握るのが「食物繊維」です。食物繊維は、水分を吸収して膨らむ性質があるため、少ない量でも胃の中でカサを増し、満腹感を早く得させてくれます。さらに、消化がゆっくり進むため、腹持ちが良く、間食や食べ過ぎの予防にもつながります。
【食物繊維の二つの働きを知る】
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の二種類があります。水溶性食物繊維は、水を含むとゼリー状になり、栄養素の吸収を穏やかにすることで満腹感が長続きする効果が期待できます。一方、不溶性食物繊維は、胃の中で水分を吸収して大きく膨らむため、早い段階で満腹感をもたらします。便のカサを増やし、腸のぜん動運動を促す役割もあります。
満腹感を効果的に得るには、この二種類の食物繊維をバランス良く摂ることが大切です。水溶性食物繊維は、海藻類、果物(バナナ、りんごなど)、こんにゃくなどに、不溶性食物繊維は、きのこ類、根菜類(ごぼうなど)、豆類、穀類などに多く含まれています。
【満腹感を高める具体的な組み合わせ】
食物繊維の力を最大限に引き出すには、食材の組み合わせや食べ方に工夫を凝らしましょう。
例えば、朝食に「オートミールとフルーツとヨーグルト」はいかがでしょうか。オートミールは食物繊維が豊富で、特に腹持ちが良いです。ここに、水溶性食物繊維が多いバナナや、不溶性食物繊維も含むいちごなどのフルーツ、そしてたんぱく質が豊富なヨーグルトを合わせれば、栄養バランスと満腹感を両立できます。
また、食事の最初に「野菜・きのこ・海藻のスープや味噌汁」を摂るのもおすすめです。水分と食物繊維が多いスープは、物理的に胃を満たしてくれるため、その後の食事量を自然に減らすことができます。特に根菜類やきのこ類を大きめに切って入れると、噛む回数が増えて満腹中枢が刺激され、さらに満足感がアップします。
【たんぱく質をプラスして満腹感を持続】
食物繊維の豊富な食事に、良質なたんぱく質を組み合わせることで、満腹感はさらに持続します。たんぱく質は消化に時間がかかるため、腹持ちが良くなる効果があります。
例えば、食物繊維が豊富な全粒粉パンやライ麦パンに、卵や鶏むね肉、豆類(ひよこ豆など)を挟んだサンドイッチは、栄養満点で満腹感も得られやすいです。また、サラダを食べる際は、食物繊維の多い野菜に、ゆで卵や蒸し大豆、鶏肉などをトッピングすることで、満足度の高い一皿になります。
食物繊維と水分、そしてたんぱく質の組み合わせは、食べ過ぎを防ぎ、健康的な食生活をサポートしてくれます。ぜひ日々の食事に取り入れてみてください。

本記事はBLUEM代表の佐藤元紀が監修しています。新潟医療福祉大学健康科学部健康スポーツ学科卒。健康運動指導士、健康運動実践指導者の資格を取得し、豊富な指導経験と独自のトレーニング哲学で多くの顧客の理想的な体型維持をサポートしています。安心・正確な情報提供に努めています。





