
日々の生活の中で、意識して運動する時間を取るのはなかなか難しいもの。そんな方におすすめなのが、階段の昇り降りをトレーニングに変えるダイエット法です。特別な道具や場所は必要なく、通勤や買い物、自宅など、どこでも実践できます。
【なぜ階段昇降がダイエットに良いのか】
階段の昇り降りは、ウォーキングや平地での移動に比べて、より大きな負荷が筋肉にかかります。特に、太ももの前側(大腿四頭筋)や、お尻の筋肉(大臀筋)といった、体の中でも大きな筋肉を効率よく鍛えることができます。
大きな筋肉を鍛えることで、基礎代謝が向上しやすくなります。基礎代謝とは、私たちが生きていくために最低限必要なエネルギーのことで、これが上がると、じっとしていても消費されるカロリーが増えるため、太りにくく痩せやすい体質へと近づくことができるのです。また、心肺機能の向上にも役立ち、全身の持久力アップにもつながります。
【効果を高める階段の昇り方】
ただ漫然と階段を昇り降りするだけでは、効果は半減してしまいます。少し意識を変えるだけで、トレーニング効果を格段に高めることができます。
1.背筋を伸ばし、視線はまっすぐ前を見ましょう。猫背にならないように注意し、体がブレないように体幹を意識して昇ります。
2.つま先で階段を踏むようにして、かかとを少し浮かせた状態で昇ると、ふくらはぎの筋肉をより刺激できます。ただし、膝を痛めないよう、着地は優しく行いましょう。
3.一段飛ばしで昇るのも効果的ですが、難しい場合は一段ずつでも構いません。重要なのは、お尻と太ももの裏側(ハムストリングス)の筋肉が使われていることを意識しながら、やや大股で踏み込むことです。この時、上体を少し前傾させると、お尻に力が入りやすくなります。
【安全に続けるための降り方のコツ】
階段昇降トレーニングで一番注意したいのは、膝への負担です。特に降りる動作は、体重の何倍もの負荷が膝にかかると言われています。安全に、そして長く続けるために、降り方にも工夫が必要です。
1.ドスンドスンと大きな音を立てて降りると、膝や足首に大きな負担がかかります。着地の際は、足の裏全体を使って静かに、そっと着地するように意識しましょう。イメージとしては忍び足で降りる感じです。
2.膝をピンと伸ばしたまま降りると、衝撃がそのまま関節に伝わってしまいます。階段に足を置く直前に、軽く膝を曲げてクッションの役割を持たせることで、衝撃を和らげることができます。
3.バランスを崩しやすい方や、膝に不安がある方は、ためらわずに手すりを使いましょう。手すりに軽く手を添えるだけでも、安心感が得られ、無理なく運動を続けることができます。
階段を使ったダイエットは、日常生活に簡単に組み込めるのが最大の魅力です。無理のない範囲で、今日から意識して階段を使ってみませんか。継続は力なり。小さな積み重ねが、理想の体への第一歩につながります。

本記事はBLUEM代表の佐藤元紀が監修しています。新潟医療福祉大学健康科学部健康スポーツ学科卒。健康運動指導士、健康運動実践指導者の資格を取得し、豊富な指導経験と独自のトレーニング哲学で多くの顧客の理想的な体型維持をサポートしています。安心・正確な情報提供に努めています。





